10/20(金) 朝礼のことば

私は先月、上智大学に行きました。キャンパス内には留学生が溢れ、聞こえてくる言語は全て英語でした。その雰囲気に圧倒されながらも、私が1番印象に残ったのは、学内を案内してくれた学生さんでした。学生団体を立ち上げている彼女は、取り組みの1つとして、学内のトイレに生理用ナプキンを無料で提供するサービスを導入した話をしてくれました。専用アプリを入れたスマホをディスペンサーにかざすとナプキンが出てくるというものです。  今、生理?ナプキン?と思った人はいませんか?社会でタブーのように扱われている生理に関しての情報。特に男子、男性のみなさんはどのくらいの理解があるのでしょう。私たち女性であっても、全員が同じほどの理解があるとは言えません。でも、その学生さんは男性が多い中でも、堂々とというか、普通にサラッとその話をしてくれました。生理用ナプキンについては、経済的な理由で購入できない、自分の性に関して悩んでいて購入できない、逆にいつも持っていないと不安を感じる、などの悩みを抱えている人がいます。しかし、社会はこの問題を話しにくいものにしています。ナプキンを購入できないことを誰にも相談できない、そして心を閉ざし、外に出られなくなる人もいます。  このナプキン無料設置の活動は、2年前から京都の大学で始まり、現在では各地の小・中・高・大学などでも広がりを見せていますが、SDGsの目標1「貧困をなくそう」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に対応する取り組みです。私はジェンダーの問題に高い関心を持っています。しかし、日本ではSDGsの達成度が最も低い目標の1つです。SDGsは社会、環境、経済の問題について、「誰一人取り残さない」ということを目標にしています。地球の環境を守ることは大事です。物を大切にすることももちろん大事です。でも、隣の人が困っているのなら、そこにまず心を尽くすことも大事なのではないかと思います。皆さんの大切なパートナー、友だち、家族のために、相手を理解すること、認めることを引き続き大切にしていきましょう。